こんにちは!自作の水耕栽培装置作製に挑戦中のの@Kickchan_tです。
簡単に水耕栽培をはじめるならすごい簡単で高性能な市販の水耕栽培装置を以前ご紹介しました。室内での栽培に不足しがちな日光を数十個のLEDでおぎなっている高性能なもので申し分ないです。
でも、どうしても自分で高性能な全自動の水耕栽培装置を作ってみたい!というチャレンジャーもいると思います(ง°̀ロ°́)ง
なまけものの私は水やりなんかもあんまりしたくないし、ケチなので明るい時はLED照明はオフにしたい、どうせだったら大量に作りたい!という不満から室内で大量生産できる全自動の装置を開発しました!
今回は開発過程で得られた知識を共有します。自動給水やLEDの取り付け点灯、水耕栽培の容器の選定や棚の自作などノウハウをなるべく細かくご紹介しますのでチャレンジするきっかけにしてくださいね(〃’ω’)
全自動の水耕栽培装置の機能をまずはご紹介します。
どんな装置ができるのか先にご紹介します(◍•ᴗ•◍)♡ ✧*
- 指定した時間になると自動的にポンプが作動し、減った溶液を補充します。
- 暗くなったらLED照明が自動的に点灯します。
- LEDの輝度はPWM制御で変えれるようにします。
- 設定はスマホやパソコンで変えられるようにします。
- 多段で栽培できるようになっているので、室内のスペースを有効活用しながら大量生産可能です。
作ったなら簡単に操作できるようにしたい。ということでご紹介した通り、スマホで制御できるようになっています。
ちなみに動画だとこんな感じです。
EC(電気電動率)もスマホで見れるようにしています。こちらはパソコンで表示した画面です。モニターもできますよー。
結構むずかしそうかもしれません。でも最近はラズベリーパイ(ラズパイ)という1000から5000円程度で買えるめちゃくちゃ安い名刺サイズのPCを使うことで簡単にできるんです。PCなのでサーバーの機能を持たせることができ、インタラクティブに設定やモニタリングができるんです。ちなみにさきほどのECのモニタリングはJavaScriptで描画しています。
いい時代になりました。水耕栽培以外にも役に立ちプログラミングの学習にも最適なので超おすすめします!
AC電源の自動制御は?専用のソケットを作っちゃいましょう。
自動化で重要なのはもちろんプログラムで制御することです。指定した時間になったらポンプを起動させる、LED照明をONにする、いろいろ思いつきますね。
市販のデジタルタイマーを使えば簡単にできます。デジタルタイマーはAC電源を設定したスケジュールにしたがってON/OFFできる機械です。
我が家で使っているのは15回分のON/OFFを制御できるものです。
デジタルタイマーでも十分な気がしますが、もっとカスタマイズできるように自作したい人もいると思います。
いまやラズパイやPIC、Arduinoなんでもいいですが、デジタル電源のIOは簡単に制御できます。5V電源を使ってLEDをチカチカさせたことがある人も多いと思います。プログラムもPythonであれば数行で書けるでしょう。それを応用すればAC電源の制御も簡単にできそうですね。
私も軽い気持ちでインターネットを探してどうやってAC電源につないだポンプをIO制御でしようかなーと探してみたら意外とありませんでした。需要ないんですかね??あるはずだとは思うんですが。。
ということで自作しました。まずは簡単に自作してみて自動制御を始めちゃいましょう。
IOで制御できるACコンセントの外観
まずはどんなものが出来るのかご覧ください。2口コンセントの差込口を用意しました。
3本のクリップが出ています。真ん中がGND、赤の2本がそれぞれのコンセントのon/offを制御します。ここにRaspberry PiのI/O portを接続します。
今は実験的な運用なのでブレッドボードからの線を配線しやすいクリップにしました。ちょっとかっこ悪いので、みなさんはもうちょっとかっこ良いものにチャレンジするのもありだと思います。
電気回路は便利なキットがあるので、配線するだけなので意外と簡単かもしれません。
AC電源をIO制御するために必要な部品は?
電気回路を使うので部品の調達は秋葉原で行いました。訪れたのは自作好きには有名な秋月電子と千石電子通商です。こちらは通販も行っているので秋葉原まで行かなくて良いので安心してください(´∀`@)♪
購入したものの一覧はこちらです。探すのも大変だと思うので探しにくいパーツは秋月電子か千石電子通商のサイトのリンクも張っておきます。
秋月電子のキットはどんなもの?
秋月電子のキットでACコンセントの導通を制御します。キットなので組み上げる必要があります。組み上げるとこんな感じです。
主な部品はリレーとフォトカプラです。
- リレーはソリッドステートリレーなのでメカニカルな接続がなく耐久性があります。
- トランジスタはフォトカプラなのでホスト側(Raspberry Pi)と絶縁されているので選びました。
- 放熱処理しなくても2A流せるので十分じゃないでしょうか。
- 部品単体で買って組み上げるより楽。
ちなみに中央の基板の左側のDCと書いてあるほうがRaspberry Piと接続、右側のACと書いてあるほうがACコンセントに接続されます。
回路はどんな感じ?
回路は非常に簡単です。AC電源はプラスマイナスがないので非常に簡単に回路ができます。
この回路を参考にしてこれまで購入した部品の配線を接続しましょう。こんな感じでつなげました。
部品を組み上げましょう。
部品も揃ったし、回路構成も決まったのであとは組み立てるだけですね( ^ω^ )
ここからは好みの世界になります。私の実装方法を参考にしていただけると幸いです🙇
インレットの取り付け
インレットは家庭のコンセントから電源を持ってくる入り口です。抜き差しする機会も多いでしょうからしっかり固定する必要があります。
まずはインレットが入るようにプラスチックに切り込みを入れましょう。差し込んだだけだとどんなにキレイに切ってもぐらぐらしちゃうので、何かしら固定したほうがいいです。ここではプラネジで固定しています。
ちなみにこのインレットにはこんな風にミゼットヒューズが入ります。便利ですね。
コンセント口の取り付け
こちらもプラスチックに切り込みを入れて、コンセントを入れます。コンセントには一応返しが付いています。それでもガバガバする場合は接着剤等で固定するのがいいかもしれません。私は幸いにも問題ないレベルだったのでそのまま圧入で差し込んでいます。
回路の接続
先ほどご紹介した回路と同じ接続になるように配線しています。
- 横に二つ並んでいるのが秋月のキットです。ハンダ付けして組み上げたものを並べております。
- 一応ベア基板を切り出してその上にのせました。
- 真ん中の黒いものがGND用のクリップです。GNDを共通にすることで配線数を減らすしています。
サンプルの自動稼働用のプログラムはこんな感じになります。Pythonで書きました。while文を回すのも非効率な気がしたのでスレッドを作って10秒ごとに動かしています。このプログラムではGPIOをON/OFFの指定をscheduleWaterCirc.iniという別ファイルでしています。お好きな方法を見つけてくださいね。
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#!/usr/bin/python # config: UTF-8 from datetime import datetime import threading import time import RPi.GPIO as GPIO PORT = 23 print "Start Water Circulation" # initialize GPIO. Needs wiring pi installed def init(): GPIO.setmode(GPIO.BCM) GPIO.setup(PORT, GPIO.OUT) GPIO.output(PORT,False) def checkTimer(): # configuration file might be updated thru another application.. make sure by reload f = open('scheduleWaterCirc.ini') lines = f.readlines() f.close() # schedule format hour:min:running-time example for 11am30min 5min run-> 11:30:5 schedule = [] for line in lines: tmp = (line.rstrip('\r\n')).split(":") setting = {} setting['HOUR'] = int(tmp[0]) setting['MIN'] = int(tmp[1]) setting['ONTIME'] = int(tmp[2]) schedule.append(setting) # current time curTime = "%s" % (datetime.now().strftime('%H%M')) # find out current time is in the schedule file flgRun = False sleepSec = 0 for setting in schedule: cmprTime = "%02d%02d" % (setting['HOUR'],setting['MIN']) if curTime == cmprTime: print "Scheduled event %s, run %02d min " % (cmprTime, setting['ONTIME']) flgRun = True sleepSec = setting['ONTIME'] * 60 # if scheudled event is found, enables GPIO high to tell the event is requested if flgRun == True: GPIO.output(PORT, True) time.sleep(sleepSec) GPIO.output(PORT, False) t = threading.Timer(10,checkTimer) t.start() # intialization init() # thread start t = threading.Thread(target = checkTimer) t.start() |
水やりを自動的に行には?DFT方式の栽培装置を自作します!
DFT(Deep Flow Technique, 湛液型水耕法 たんえきがたすいこうほう)という水耕栽培の方法があります。
これは下のイラストのように根を溶液に浸しながらポンプを使って循環させる方法です。排水溝より水位が高くなると自動的に排水されて一定の高さが保たれているのがわかりますね。つまり、この方式を使えば簡単に自動給水できるんです!
やることはポンプを定期的に動かして水を汲みあげてあげるだけ。簡単です。
DFT方式は簡単に積層できる。多段にしてみましょう。
DFT方式は簡単に多段に積層できます。水は上から下に流れるので、上段の水が下段へ流れていくようにすればいいんですね。
ということで下のイラストのような構成を思いつきます。これで収穫高もあがりますね。
DFT方式では頑丈な容器を使う必要あり!
DFT方式では根の全体かその一部を培養液に浸します。後ほどご紹介するNFTと比べて必要となる培養液を多くする必要があるので、容器の強度が十分にある必要があります。
ここでは容器の選び方のポイントをご紹介します。
ちなみに私は断然IKEAのTROFASTをおすすめします。IKEAのTROFASTは頑丈だし、容器のフタもあるので水耕栽培に最適です。
フタに穴を開けるだけで即席の水耕栽培装置の完成です(。>﹏<。)
IKEA TROFAST イケア トロファスト 収納ボックス
容器の選別方法についてはこちらをご確認ください。
自分で作る最適な棚の作製
省スペースのために棚を使って多段構成にします。2段つくれば水耕栽培の容器が2つ置くことができ、もっと増やせばもっと棚を置くことができるので少ないスペースでたくさん栽培できます🍅
でも最適な棚って売ってないんですよね⤵︎
ということで余裕がある人は棚も自作しちゃいましょう💡
一番近道かもしれませんよ ワーイε=ヾ(*・∀・)/
容器の穴あけ
棚を使って垂直方向に栽培容器と溶液タンクを組み合わますが、溶液を循環させるために配管作業が必要になります。そうすると容器に穴あけが必要になるのですが、穴あけの経験がない方もいらっしゃいますよね。私もそうで、試行錯誤してきました。いくらか知識ができたので、今回行った方法についてご紹介します。
循環式栽培方法の配管方法
棚もできて、配管用に穴があいた容器も準備できたのであとは配管用のパイプでつなぎます。写真でなるべく詳しくどのような構成にしたかをご紹介しています。
給水用のポンプを設置しよう。
配管もできているのであとはポンプを設置すれば給水ができます。水中ポンプであればなんでも良いわけではなくてある程度の能力がひつようになります。またポンプにとりつけるホースって結構硬いのでコツがいるんですよね。。。ポンプを選ぶポイントとホースの取り付け方をご紹介します ワーイε=ヾ(*・∀・)/
- 水中ポンプには能力があります。水を組み上げる能力が足りないと給水できません。
- 多段の棚だと必要な陽水能力が変わるので注意しましょう。
- ポンプに取り付けるホースの取り付けにはコツが必要です。結構硬いので工夫しましょう。
ポンプの選定方法
水中ポンプにも能力があって能力が低すぎると”水を汲み上げられない”、高すぎると”汲み上げた水が勢いよく出てきてしまう”という問題が出てきます。ポンプの選び方についてご紹介します。
ホースの取り付け
ポンプを選んだので後はホースをつなげて一番上の容器に水を入れてることで水を循環できます(*´罒`*)
たったこれだけのことなのですが、実はかなり大変なんです(。>д<。)
硬くてちゃんと配置できないのです。。
ここではどうやってホースを固定したらいいかをご紹介しています。方法は色々あるかと思いますが、私のようにアクリル板を使うとスッキリしますよ。アクリルの加工方法はこちらにまとめております。
自作のステップ③:野菜を育てるポットを取り付けよう
大枠は完成しましたね。後は実際に野菜を育てる環境を準備してあげます。
- 水耕栽培用のポットを選びましょう。Amazonで売っているものをオススメします。
- 選んだポットにふさわしい穴をIKEA Trofastのフタに開けます。
- 水耕栽培では土を使いたくないので培地はスポンジです。Amazonで売っているオススメを紹介します。
育成ポットとスポンジを選ぼう。
水耕栽培では土壌の代わりを用意しなければなりません。
とは言っても選ぶのは少し大変です。私がおすすめするスポンジとポットを紹介します。
ちなみにポットは注文してから2-3週間かかるので早めの注文をおすすめします (`・ω・´)/
ポットの取り付けのために穴あけをしよう
ポットを選んだので後はポットを取り付けるだけです。
IKEAのTrofastを使った穴あけ方法をご紹介しますね(*´・∀・*)
自作のステップ④:ちょっと進んだ制御 LEDとポンプの自動制御
今までのステップとは変わってここからは電気的な制御になりますヾ(。>v<。)ノ゙*。
- LEDは植物用のLEDを使用します。成長を促進させましょう。
- LEDも工夫しましょう。せっかくの自作です。
- ポンプも自動制御しましょう。
- 自動制御にはラズベリーパイを使います。
LED回路の自作してみよう。
室内での栽培では日光が入りにくいというのもあり、人工的に光の補助をしてあげる必要があります。ただ室内であれば電気は潤沢にあるので夜も照らすことができるというメリットがあります。照明にあたってはLEDを使いますが、ここではLED回路を自作した例をご紹介します。こちらは電気を使うので自己責任でお願いします。
LEDレールの作製
LEDの駆動は駆動回路ができたので点灯は可能になりました。LEDを取り付けていくのですが、私はレール状のものが欲しかったのでレールを自作しました。おそらくどのようにとりつけたらいいかな?と迷っている方もいらっしゃると思います。参考になればいいな、と思います。
ラズベリーパイでのLEDとポンプ制御の導入
全ての下準備が整ったのでプログラムを導入してLEDとポンプの制御を行います。
まとめ
必要な機能が全て自動制御されている水耕栽培装置の自作方法をご紹介しました。DIY感はありますが、比較的おしゃれにできたのかなと思います。みなさんもおしゃれなものができたら教えてくださいね!