タイマーIC555を使ってマイナス電源をつくるときの回路図

自作のEC計を作りたいなーと思っているのですが、どうも交流波形じゃないと測れないみたいですね(((( ;゚д゚))))アワワワワ

交流波形を作るにはいろいろありそうです。今はオペアンプを使うウィーンブリッジ回路を検討中なんですがここで問題が。。(×_×;)
両電源のオペアンプを使うのでマイナス電源を準備する必要があります。。

分圧を使って擬似的にグランドを作り擬似マイナス電源を作るのも手なのですがデメリットが多い気がします。。

ということで分圧以外の方法でマイナス電源を作ってみます。
身近に手に入る部品を使ってマイナス電源を検討しますよー٩( ‘ω’ )و

分圧で擬似マイナス電圧を作ると何が問題になる?

分圧の中心を擬似グランドとすれば確かに擬似的にマイナス電圧は作れます。でもデメリットも多い気がします。

分圧で擬似マイナス電圧のデメリット
  • どれくらい電流を流せるのか・引けるのかが不明。
  • 電圧が半分になってしまう。。5Vだと+/-2.5Vになっちゃいます。
  • 結局全体的なグランドはどうすればいい。。?回路の制約ができそうですね。

ということで他の方法を検討することにしました(ง°̀ロ°́)ง

マイナス電源は少し電気の知識が必要です。

プラスの電源からマイナスの電源をつくるという、ないものねだりの状態はどうやって解決できるのでしょうか( ಠωಠ)

電流の流れを保とうとするインダクターの性質や電気を溜め込むキャパシタの性質を使えば実現できます。
今回はキャパシタを使って検討してみたいと思います。

キャパシタとダイオードを使ってマイナス電源を実現します。

2つのキャパシタと2つのダイオードを使ったマイナス電源の仕組みをご紹介します(〃’ω’)

スイッチをオンにして充電

入力電圧が加わることでC1のキャパシタが充電されます。D1のダイオードがあるのでC1のキャパシタ間にはダイオードの順方向電圧を引いた電圧差があることになります。例えば9Vの電源でダイオードの順方向電圧が0.7Vだったら 9.0-0.7 = 8.3Vですね。

プラス電源からマイナス電源を作る様子。プラスでキャパシタをチャージしている様子。

それでは印加電圧をオン(+9V)からオフ(0V)にしてみましょう。

スイッチをオフにしてマイナスに充電

この状態でC1のプラス側の電圧をオンからオフ(0V)に落とすとどうなるのでしょうか?
オフ直後にはC1キャパシタのマイナス側は先ほどの電源からダイオードの順方向電圧を引いた8.3V分の電荷が蓄電されていることになります。

プラス電源からマイナス電源を作る様子。マイナス電荷で充電され負電源ができている様子。

D1のダイオードに対しては極性が逆なので電流が流れないので、この電荷がキャパシタに蓄電されたままになります。

このとき、D2のダイオードはD1とは異なる極性でC1に接続されていて導通しています。

そうするとD2通ってC2にマイナスの電荷が蓄積されます。

ここでもD2の順方向電圧があるので注意しましょう。
今までの例だと、-8.3 – (-0.7) = -7.6VがC2に印加されることになります。

スイッチングで充放電を繰り返します。

この負電圧に接続された負荷が消費してしまうので、定期的にC1にチャージして、C2に負電荷を貯めることを繰り返す必要があります。そのときスイッチング素子が必要になるんです。

スイッチング素子はタイマーIC 555にしました。

スイッチング方法は色々ありそうですが、ラズパイのリソースを使われるのも嫌なので。。便利なタイマーIC 555を使うことにしました。

外付けの抵抗とキャパシタでスイッチング周波数を簡単に変えることができるので便利です(◍•ᴗ•◍)♡ ✧*。

周波数の決め方

タイマーIC 555の周波数の決め方は仕様書に記載されています。

タイマーIC555の周波数の決め方

Ra / Rb / C で発振周波数とDuty比が決まります。

周波数と Duty比

f = 1/T = 1.44 / ((Ra + 2Bc) * C)
D = Rb / (Ra + Rb)

回路を作ってシミュレーションしてみました。

準備ができたので実際に回路を作ってみたいと思います。

さきほどご紹介した内容と同じことをやってみます。
タイマーIC555を使ってマイナス電源をつくるときの回路図

ちょっとした負荷にも耐えれるようにキャパシタは少し大きめの100uFのものを使っています。

負荷によって負電圧が変わる?実験してみました。

IC555が流すことができる電流は少なさそうなので実験してみました。負荷に見立てて100/10kohmの抵抗をつないでいます。

軽めの負荷の場合には?

R3=10kohmの負荷をつないでみました。-3.6V程度まで下がっていますがこれは 5Vの電圧 – (0.7V by Diode * 2) = 3.6Vとなり一致しますね。
タイマーIC555を使った負電源をLTSpiceでシミュレーション。負荷によって負電圧が変わる。10kohmに繋げている様子。

  • 緑がIC555のスイッチング
  • 青がC2で測定した負電圧

少し重めの負荷の場合には?

次にR3=100ohmの負荷にしてみました。負荷が重くなったためか、さきほどまでは下がらないようです。
タイマーIC555を使った負電源をLTSpiceでシミュレーション。負荷によって負電圧が変わる。100ohmに繋げている様子。

まとめ

プラス電源から簡単にマイナス電源を作る方法をご紹介しました。特にオペアンプを使うときには参考になると思います!

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